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2005年 08月 22日
芥川賞作家・長嶋有氏の(長嶋有名義では)初めてのエッセイ集。お世辞にも巧いとは言いがたいことで有名な自筆による巻頭エッセイから、最後の「自己鑑賞と補遺」まで、どこを切っても楽しく読める、風通しの良いエッセイ集に仕上がっている。
「好きな言葉をサインして」と乞われて「増刷」と書くエピソードや、芥川賞発表前に急に無精ひげに固執しはじめるエピソードなど、とても可笑しい。長嶋氏の文章には、自意識過剰なところと、自意識過剰な自分を上手に茶化す部分が絶妙な配合でブレンドされているので、読む側は変に居心地の悪い思いをすることなく、安心して楽しむことができるのだ。 自身の作品に言及する部分も多い(そして、それがまた面白い)ので、長嶋小説のファンは必読!(いや、それ以外の人も必読です。) 長嶋有(著) 『いろんな気持ちが本当の気持ち』 筑摩書房(本体1300円) 評価:B+(A~E)
by fuyu-shokubutsu
| 2005-08-22 00:42
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