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2004年 12月 25日
19世紀半ばのロンドン。下町で育てられた17歳のスウは、ある日知り合いの詐欺師〈紳士〉に奇妙な計画を持ちかけられる。古い城館にひっそりと住む令嬢を騙し、莫大な財産を奪い取ろうというのだ。侍女として城に入り込んだスウは、令嬢モードの身にやがて降りかかる残酷な運命を知りながら、次第にモードとの絆を深めてゆく。果たして計画の行方は?二人の関係は?
昨年の『半身』に続き、「このミステリーがすごい」海外部門1位に輝いた、サラ・ウォーターズの第2作。『半身』もそうだったが、ディケンズな世界と悪漢たちの活躍を堪能できる快作。 ネタバレになるので細かくは書かないが、3部構成になっていて、これがまたうまい。第1部と第3部では、スウのキャラクターが微妙に違って見える。どことなく恩田陸の作品にも通じるものがあるので、恩田さんもたまにはこのくらい緻密なものを(以下自粛)。 ちなみに、まだ『半身』も『荊の城』も読んでいない、なおかつ両方読んでみたいという人は、できれば『半身』から始めてほしい。筋書きも読後感も全く違う二作だが、『半身』終盤の「うわあっ」という感じをより新鮮に味わうためには、『荊の城』は後回しにした方が良いかと思われます。個人的には、ミステリとしては『半身』が上、作品としては『荊の城』がやや上と思う。 サラ・ウォーターズ(作)、中村有希(訳)『荊の城』(上)(下) 創元推理文庫(上・下巻とも本体940円) 評価:B(A~E)
by fuyu-shokubutsu
| 2004-12-25 17:42
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